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老後マンションへの住み替えは配偶者贈与のチャンス!

2018.10.01

記録的猛暑だった夏も去り、すっかり秋らしくなった今日この頃、食欲の秋の体重増加に怯えながらも美味しいものが大好きな税理士太田です。

さて、今回は相続法の改正もあり、ますます使い勝手の良くなった「配偶者贈与」についてレポートします。

1、制度の概要

ざっくりいうと、20年以上連れ添ったら、夫(または妻、以下同じ。)からマイホームやマイホームを買うためのお金をもらっても贈与税がかからない。という特例です。通常年間110万円を超える贈与を受けた場合、贈与税を支払わなければいけませんが、この特例を使えば2,110万円まで贈与税がかかりません。

今回の相続法改正でこの生前贈与に関しては、「特別受益」とならないこととなったため、夫が亡くなった時の遺産分割で、先に贈与を受けたマイホームの分だけ相続できる財産が減ってしまう!といった心配も無くなり、制度の魅力も増しています。

2、注意点とデメリット

①贈与税の申告が必要
税金がかからないとしても特例ですから贈与税の申告は必要です。

②チャンスは一度きり
同じ相手からは、一生に一度きりしかこの特例は使えません。

③登録免許税や不動産取得税で思わぬ出費になることも!
今住んでいる家を贈与してもらった場合、名義変更に登録免許税がかかります。しかも、贈与による登録免許税は、相続に比べて5倍と高額になってしまいます。更に、相続ではかからない不動産取得税の課税対象とされているため、贈与税がかからなくても思わぬ出費となることも多いのです。

3、配偶者贈与は住み替え時に活用するのがチャンス!

子供たちが巣立って広くなったマイホームを売却し、夫婦二人で快適に暮らすためのマンションを購入される方も多いと思います。この時が配偶者贈与の一番のチャンスです。
「マイホームを買うための金銭」も特例の対象ですので、売却したマイホームで夫が得たお金を贈与してもらい、住み替えるためのマンションの取得に充てることにより自分(または共有)名義とすることが可能です。

 

この場合も登録免許税や、マンションの築年数等によっては不動産取得税がかかりますが、贈与を受けてなくても必要なものですので、余計な出費とはなりません。

最後に
相続法の改正により今後、配偶者の居住権は強く守られることになりそうですが、法律が整備されるには、あと数年かかりそうです。今、住み替えをお考えの方ならば、配偶者贈与を検討されてみてはいかがでしょうか?
但し、メリットはケースバイケースです。申告も必要となりますので必ず事前に専門家へご相談を!

 

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筆者紹介

太田 圭子
税理士法人田﨑・太田事務所
税理士

大事な家族を亡くしてから10カ月という期間で申告しなければならない相続税。改正により今後相続税の申告をしなければならない人は増える見込みです。相続税は生前の対策、遺産分割の方法、そして財産の評価方法によって大きく税金が変わってきます。そして相続は相続税だけではなく、財産を相続した人のその後の所得税や消費税、そして無くなった方が法人経営者だった場合などには法人税にも大きく影響を及ぼします。専門家として相続にまつわる税金の悩みを解決するのが私の仕事です。不安を感じている方からお話を聞いて最善の解決策を御提案できれば幸いです。メールマガジンではできるだけ専門用語を使わずわかりやすくて身近な税に関する情報を記事にしていこうと思います。

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